Cross Talk
クロストーク
司会
CCMCの教育プログラムはどのようなものなのですか?
亀山
当院では日本看護協会のラダーレベルを参考にし、ラダーレベルをⅠ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ プラチナ・Ⅴと分け教育プログラムを計画しています。各教育研修が終わった後にアンケートを取って、それを反映して1年度の教育に加えています。
司会
レベル分けでCCMCの特徴は何かありますか?
熊谷
プラチナは当院の特有のもので、ベテラン看護師が受けるものとなっています。
新人研修はどこも手厚く企画されていると思うのですが、昨年度は誠馨会病院でベテラン看護師を対象とした“スーパーナース研修“が開催されました。研修に参加したベテラン看護師からは「自分がどうなりたいかではなくて、自分がどうしたいのかが重要」という声が聞けました。「私が環境の一部。私がかわれば環境も変わる」という意識になったようです。その研修に参加してよかったとの意見が多く聞かれ、ベテランナースが元気になったように思います。
司会
新人教育に注目しがちですが、中途採用者の研修はどのように行っているのでしょうか。
亀山
新人研修だけでなく、中途採用者へのオリエンテーションも私たち人材育成委員会で行っています。中途採用の方は院内のこともよくわからないまま1スタッフとして現場に求められがちですが、1名であっても人材育成委員で電子カルテの操作方法も含め、安心して現場で働けるようにオリエンテーションを実施しています。現場に入ったあとも入職1ヶ月、入職3ヶ月、入職6ヶ月を目安に所属長面談を実施し困っていることはないか確認をしています。
司会
学会とタイアップして研修していると聞きましたが、どのような内容ですか?
亀山
昨年度から看護科学研究学会とタイアップをして、リフレクション研修を行いました。病院だけではなくて、訪問看護ステーションの方や、色々な職場の人が集まって、普段自分たちが関りに困っている事例を出し合い検討しました。自分の病院だけではなく、他の現場の色々な事例が共有できてよかったです。
司会
亀山師長は人材育成委員会の委員長として、どのような想いで人材育成に関わっているのかお聞かせください。
亀山
まず、本年度から人材育成委員会に名称が変わり、人材育成ってどうすればいいの?と考えました。たくさんの教育プログラムを揃えていますが、特に新人にはなりたい看護師像に近づけるようなプログラムを企画しています。
研修に参加する際、「自分が看護師としてどうなりたいのか」目標を立案すると思うのですが、自分の成長を他の人が認めてくれるのもうれしいと思うので、その目標が達成できたかどうか、年間を通して自己評価だけでなく他者評価をするようにしました。
また、研修を担当するスタッフも年間を通しての成長が見えるよう同じスタッフで担当するようにしました。
司会
新人看護師からベテラン看護師まで、レベルごとの研修があるのですね。たくさんの研修が目白押しですが、講師を立てたり、研修の準備をしたり、大変ですか?
熊谷
基本は各部署の教育担当が企画を立てています。去年のアンケート結果を踏まえてバージョンアップさせつつ、その年の受講者の特徴を踏まえて企画しています。相手の状態をみながら研修内容を考えていくプロセスはとても大変ですが、研修後に「勉強になった」と言ってもらえると達成感も高くなります。また、去年は提携病院の千葉メディカルセンターの皮膚排泄ケア認定看護師に褥瘡の勉強会を行っていただきました。その際は、外部の講師と調整も行っています。
司会
研修に出ている方の理解度の確認・評価はどうしているのですが?
熊谷
師長たちが個別に面談をしてその内容を部署で共有しています。研修をしたらそれでおしまいではなく、部署全体でフォローアップする体制が整っていますね。
山崎
プリセプティとプリセプター研修については、3カ月、6カ月、12カ月と研修があるので、そこで確認しています。
司会
皆さんの一押し研修を教えてください。
谷村
フィジカルアセスメント研修が一押しです。去年までは2年生を対象としていたのですが、今年は1年目と2年目で初級・中級と分けて企画しました。
同じ誠馨会グループの千葉中央看護学校に“Physiko”というフィジカルアセスメントモデルの人形があります。それを使って心音や肺雑音をとって情報収集し、アセスメントする、すごく頭を使った研修になります。同期と一緒に考えるので、他の人の考えも共有して学べるので大変実のある研修です。
山崎
私は1年生対象のリフレッシュ研修です。入職して例年7月に外部に出て研修します。昨年・一昨年は国立科学博物館に行きました。病棟毎でグループ分けし、そこで同じ病棟の同期との絆も深められますし、4月の合同研修後あまり接する機会のない他病棟の同期との絆も深められる研修になっていますので、皆さん楽しんでいますね。
熊谷
私は全レベル対象のユマニチュード研修をお勧めしています。患者さんに対する看護師や看護補助者の対応はすごく重要視されていて、手で触れる・立つ・話す・見るの4つがあります。それを今年は3回シリーズで行う予定です。すごく自分の看護観を養える研修になっていますので、昨年と同様、今年も自分自身も参加したいと思っています。
亀山
本年度の教育プログラムの目玉は院内留学プログラムです。手術室、HCU、SCUは9月から、回復期病棟は4月から院内留学を開始しています。院内留学をきっかけに自分が目指す看護師に近づけるようキャリアデザインが描ければいいなと思って企画しました。多くの人が参加してくれることに期待をしています。
司会
人材育成委員を行ってみての感想や意気込みをお願いします。
亀山
本年度はコロナウィルスの影響で外部研修が延期や中止になっています。
当院でできる研修には限りがありますが、人数制限をするため同じ内容のものを数回開催したり、自宅でも学習できるようEラーニングの導入も検討しています。「なりたい自分に近づける」よう人材育成委員会としてCCMCに入職してくれたみなさんと一緒に成長していきたいと思っています。
熊谷
人材育成委員は年間を通してみなさんのフォローをすることが求められています。ただ、その研修を担当者にお任せするのではなく、その研修内容はどうだったのか、しっかり見ていかないといけない部分があるので大変です。研修のアンケート結果に一喜一憂することもありますが、大半は「すごく良かった」という評価ですので、みなさんのプラスになるような教育プログラムを今後も出来ればいいと思っています。
山崎
私は今年度から人材育成委員になりました。まだ分からないことだらけですが、先輩や師長さんたちの動きを見つつフォローが出ればいいなと思っています。研修に出た自部署のスタッフの学びが病棟業務に反映出来ているので、今後、私が主催する立場になったときも病棟に還元できるよう研修の内容や企画を行っていきたいと思います。
谷村
自分は新卒でCCMCに入職しましたので、最初のレベル1から研修に参加しています。当時は参加者として、面白かったり、ちょっと難しかったりという感想を持っていたのですが、いざ主催者側になると、前準備だったり調整が物凄く大変です。その中で、参加者の反応に一喜一憂しています。研修を行っているときの参加者の表情で良し悪しが分かるんですよね。ですので、いい顔を出せるような研修をやっていきたいなと思います。
司会
本日はありがとうございました。