医師としてのキャリアを踏み出す、まさに最初の一歩である初期臨床研修は非常に重要です。当院の卒後初期臨床研修医は、入職後のオリエンテーションのあと、研修スケジュールに従い各科に配属となります。各診療科で実際にOn the jobで検査、診断、治療のプロセスを学びます。各科の指導医の患者さんとの接し方(接遇)、説明の仕方(説明と同意)、診断のプロセスを見て学び、カンファレンスで議論に参加し、知識を深め、問題点を文献で検索し、疑問点は患者さんの診察に戻り確認します。日々繰り返し学びながら、診断や検査、治療の手技を修得することも重要です。Off the jobでも各科指導医によるランチョン・レクチャーやハンズオン・レクチャー、医療法人内の4つの研修病院の合同研修会、地域連携症例検討会への参加、M&Mカンファレンス、CPC、各診療科関連学会の研修医セッションへの参加などさまざまな機会を通して成長できるプログラムになっています。実際の研修スケジュールでは、外科系(一般・消化器外科、整形外科、脳神経外科、泌尿器科)が合計6か月のローテーションであり、やや比重が高いです。広く、各科をローテーションするうちに、最初の志望診療科が変わることはよくあります。糖尿病専門医を目指したいと言っていたA君、現在は泌尿器科医で結石・前立腺治療の大家となっています。脳外科志望だったB君は麻酔科専門医になっています。ローテーションしてみなければわからない魅力があるはずですから、最初から決めつけない方が良いです。上級医、指導医の中に、あの先生のようになりたい(生き方も含めて)というモデル、先達が必ずいるはずです。そうなれば、しめたもので、努力が辛くなくなる(努力が楽しくなる、努力が習慣となる)ときが来るはずです。
当院のプログラムは初期臨床研修医を”診療部+看護部+薬剤部+診療技術部+事務部=病院全体”で応援します。
研修プログラム責任者
鈴木慎吾